【哲学】Q〜わたしの思考探究〜第1回「自分とは何か」(2011年2月12日再放送)

Q〜わたしの思考探究〜セレクション「自分とは何か」(再放送)
教育テレビ 2011年2月12日(土) 午後4:00〜4:30

Q〜わたしの思考探究〜第1回「自分とは何か」
教育テレビ 2011年1月8日(土) 午後11:45〜午前0:15

テレビ番組の感想です。

【対談者】 冨永愛×鷲田清一 (謎かけ人×知識人)
【司会】 上田紀行小池栄子

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書「ジュネス」) 鷲田清一 (新書 - 1996/7/19) 735円
新編 普通をだれも教えてくれない (ちくま学芸文庫) 鷲田清一 (文庫 - 2010/2/9) 1,260円

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面白かった! だけど、少々消化不良な内容でした^^;

「自分とは何か」を問うときに、どうしても切り離せないのが「他者」の存在。 そんな非常識な常識があります。

 「他者と出会い 自分を再編成する」 (鷲田清一)

自分とは、他者にとってみれば他者の中の一人にすぎなくて。 その中で「意味のある存在」になれたときに、はじめて自分の存在を認められるのだそうです。 そうなっちゃえば、もう自分というものを問わなくなるとまで。 本当にそうなのでしょうか?

「自分とは何か?」を考えるより、自分の衝撃を与えてくれた人を列挙してみてはどうか。 そんなことをおっしゃていました。 つまりは「複数の他者を持つ」…なるほど。 でもそれがまったく思い浮かばないときは、どうしたらいいのでしょうかね?

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私だけにあるものを探すだなんてムダなんだよ。 他者との共通点を見つけようとするけれど、それじゃ自分というものは一向にわからない。 他者と語り合えば語り合うほど、相違点が見えてくる。 それが、本当の理解。 ふむふむ、と思いながら、「世界に一つだけの花」…そんな歌があったっけなあ(笑)

 「こんなときにあいつがいてくれたらな」

そんな風に思ってもらえたら嬉しいよね、みたいなことを言ってましたけど。 ボクは迷惑だと感じちゃうな。 今は他人が煩わしくてしょうがない^^;

「肩の荷」をおろして生きる [PHP研究所] 上田紀行 (新書 - 2010/7/16) 798円
かけがえのない人間 [講談社] 上田紀行 (新書 - 2008/3/19) 777円

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ロナルド・D・レインの例題<鷲田先生のアレンジ版> (Ronald David Laing、1927年10月7日〜1989年8月23日) イギリスの精神科医、思想家

思考実験〜思考の量(Food for Thought)/ 子どもと母親との対話での母親の対応、三択問題。 ポイントは「子どもの存在」を認めてあげられるかどうか。 大学生の多くが良かれと思って選択した選択肢は、逆に「子どもの存在」を否定するものだったのだそうです。 興味深い内容でした。

これは当然の結果?一般的に人は「自分が認められたい」と思うもの。だからなのか「自分がされたい」(←我視点)とことを「相手にしてあげる」(←上目線)という、一見正しそうに見えるけれど、実は、もしかしたら、相手にとっては勘違いに感じるような行動をとってしまう。 そんな人が日本人が多いのかも。 でも、自分がされたいことを行動で示すってのは、「自分をわかってよ」的な独りよがりな想いの表れなのかなって。

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エマニュエル・レヴィナス「全体性と無限」 (Emmanuel Lévinas、1906年1月12日 - 1995年12月25日)は フランスの哲学者

<他者>は私にふり向き、/ 私を問いただし、 / 無限なものであるという / その本質によって、/ 私に責務を負わせる。

「人類みな兄弟である」の人だったかな? とても難解な言葉。 特に「無限」と「責任」ってところが勘違いしやすいのかなって。 「自由とは何か」、そんな問いが思い浮かびました。

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「自分とは何か」を考えるのはどんな状態のときでしょうか? 自分に自信がなくなったとき、自分の存在が否定されたとき、自分の居場所が侵されたとき、などなど。 自尊心、存在、居場所などがキーワードになるのかと思います。

自分に自信が持てるようになれば自問しなくなる、そのための方法を丁寧に説明しているステキな番組でした。 でも何かが違ってたんです。

 「自分はタマネギ、人生はあみだくじ」(鷲田清一)

たしかに自分だけを見ててもわからないのかもしれへんけど、「自分とは何か」の答えとはちょっとズレてるような気がするんですよね。

 「複数のアイデンティティを持つ、つまり複数の他者を持つこと」(鷲田清一)

これが一番近いのかもしれません。 でもやはり、他者と係わることで勝手に見つけなさいよって突き放してるように感じてしまいました。 

番組で言ってたことは大きく分けて2つ。 どうやったら「自分とは何か」の答えが見るかるのかという行動のヒント。 そして、どうやったら「自分とは何か」を自問しなくなるのかというヒント。 そんなのはエヴァ観ればわかりますし。 そんなことを聞きたかったんじゃないんですよね。 もう自分なりの答えが出てきたんですから!! その答え合わせがしたかったのかもしれません。

大人になる過程で、誰しもが一度は考えたことがあると思います。 そんなのくだらないと突き放す人もいれば、逆に悩みすぎちゃって何も手がつかなくなってしまう人もいれば。 いろいろなんだと思いますが。

こういうテーマが出てくると、日本は平和だなって思います。

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接吻 デラックス版 [ジェネオンエンタテインメント] (DVD - 2009/02/25)
 出演:小池栄子,豊川悦司,仲村トオル,篠田三郎
 監督:万田邦敏
 第30回ヨコハマ映画祭脚本賞&主演女優賞(小池栄子)受賞作品