いじめている君へ、いじめられている君へ。その5。

いじめ問題が社会問題として取り上げられる中で、朝日新聞の朝刊に毎日コラムが掲載されるようになった。今日(2012年08月09日)は映画コメンテーターのLiLiCoさん。

いじめられている君へ
考え方を私は変えたよ
いじめをなくす方法を考えようって、いじめられたことのない人の意見だよね。
先生が「いじめに気づかなかった」というのを聞くたびにがっかりする。担任の先生がクラスの子どもをきちんと見ているかどうかの成績を、子どもがつけてあげる仕組みがあったらいいのにね。
残念ながら、いじめはなくならないと思う。日本だけの現象でもありません。
私は、父がスウェーデン人、母が日本人で、子どもの頃はスウェーデンで暮らしていました。10歳のとき、突然いじめられるようになりました。今でも痕が残るほど足に傘を突き立てられたり、食堂の座席をみんなでわざと広く使って私が座れないようにしたり。
あの頃、私を支えていたのはマドンナの音楽と、日本のおばあちゃんが送ってくれたアイドル雑誌。「歌手になるため日本に行こう」と決めました。それからはもう、他人に何を言われても「いつか絶対売れてやるから見てろ」と、歌を練習したり、雑誌を見てファッションを勉強したりしました。食堂で座れなくても「気を使ってみんなといるより1人の方が楽だ」と、考え方を変えました。
18歳で来日し、19歳でデビューしました。30歳からTBSテレビ「王様のブランチ」に出演しています。
あなたがいじめている子を変えることは難しい。あなたが変わった方が早い。
心を強くするの。いじめる子が言うことを聞き流し、自分の好きなことをすればいい。いじめている子には将来バチが当たるよ。
今の私は、以前の内気な女の子ではありません。人間って変われるんです。あなたも変われます。


以上。


確かに、イジメを無くすことは難しい。多分、表面上は無くせたとしても、この世からは無くならないだろう。人間が弱い存在であり続ける限り。弱い人は生きてちゃダメなの?
そんな虚しいことを考えていたら、こんな「声」が目に留まった。


いじめを消した先生のパワー
大学生 山本英里
(横浜市青葉区 21)

「いじめられる方も悪い」。そんなことが言われることがある。私が小学校3、4年生の時、いじめが絶えない状態だった。
5年生の時、新しい先生がやってきた。「おはようさん」と教室に入ってきたのは、新任の若い大阪弁の先生だった。この先生との出会いが私たちの学年を大きく変えることになった。
先生は、クラス会議で一人ひとりがいじめに対してどう思っているのかを発言させた。そこで「いじめられる方も悪いところはあった」という発言があった時に、普段はユーモアにあふれ、やさしい先生が「だからってみんなでいじめていいのか?ちゃうやろ?」とものすごい勢いで私たちを叱った。先生のパワーと熱意、そして生徒のことを思う愛情に私たちは救われ、そして、いじめはなくなった。
おそらく、先生に出会っていなければ「いじめ」はなくならないまま小学校生活を終えていただろう。


以上。


自分だったらどうしただろうか。熱意が湧いてきただろうか。ふと考えてしまった。

実際に彼女のクラスからいじめが無くなったかどうかはわからない。でも、この彼女からはイジメというどんより雲が消えた。モヤモヤした気持ちは快晴になった。ホンマモンの強さに触れたからだろう。

愛情から生まれる熱意。そこから生み出されたパワーは子どもを導く光となる。未来への道を示すのは大人の役目。でも、その道を明るく照らすのは子どもたちなのだろう。

そんな国内を賑わせているのは、高校野球の熱戦と、庶民イジメの計画だ。申し合わせたかのように中途半端な数で離脱した小沢氏と、自民党総裁に鶴の一声を発した勇退予定の森元総理。彼らの思惑どおり、消費増税案が参議院通過の見通しとなった。決められる政治って何?見せかけの二大政党で、よく抜け抜けと言えたもんだ。赤面もの。単なるパフォーマンスにはもうウンザリ。20年前から何も変わっていない。

そんな陰湿な気持ちで迎えた今朝は、暑さも消えたせいだろうか、思いの外、爽やかだった。

そして、ロンドンからは、2つの金メダルが届けらていれた。女子レスリングの小原選手と伊調選手だ。姉に褒められてはにかむ妹と、顔を真っ赤にして喜びを表現する笑顔は眩しかった。

日本にも再び輝かしい陽が昇りますように!