「うつ(鬱)病」の正体。

「うつ(鬱)病」とは何だろうか?

ボクがうつ病と診断され、

ひきこもり生活をはじめてはや6年半。

もうすぐ7年になろうとしている。

詳細は省くが、参考になればと、

書ける範囲で、思い出せる範囲で、書いてみる。

最近は、ようやく体も動くようになり、気分も安定している。

ように思う。 が、油断はできない。

実際、毎日起きるようになったし。

寝たっきり状態も、少なくなってきた。

たまにではわるが、外に出るようにもなってきた。

目的がないと、とたんに外に出るのが億劫になる。

楽しいとか、悔しいとか、心が動く時間も増えてきた。

こうなれたのも、

遠くでずっと見守ってくれた両親のおかげかな。

ほんと、ありがたい。

ありがとう。

---

◇うつ(鬱)病とは、何か?

うつ(鬱)病を、ひとことで言うなら、こんなんかな。

「命の冬眠」 「心の冬眠」

殻を破り、新しい自分を見つけるための準備期間。

「生命の目覚め」を実感するための準備期間。

自分を探求し、命を見つめる期間。

蝶という成虫になる前の蛹みたいな状態。

原因はさまざまあるだろうし、

症状や種類もいろいろあるのかもしれないが、

専門的なことはわからないが、基本は同じだと思う。

自分を信じれば、必ず治る。

だから、心配しないで欲しい。

---

◇薬とうつ(鬱)病

薬だけでは、うつ病は治らない。

だけど、勘違いしないで欲しい。 薬は絶対に必要だ。

薬は、病気を回復させる、きっかけを与えてくれる。

でも、あくまでも、きっかけ。

毒をもって毒を制する、って感じだろうか。

薬のどのくらい飲むかの判断は、医者に任せるしかない。

でも、本当の治療は、薬を飲まなくなった後に始まる。

薬を飲まなくなった、即、治ったとはならない。

ここが一番厄介なところだと思う。

そして、薬を飲むか、飲まないか、その判断は非常に難しい。

何かのきっかけが必要かもしれない。

運命の出会いがあるかもしれない。

経験上、治療をはじめて2〜3年は待つべきだ。

それまでは、自己判断をするのは止めた方がいい。

そして、最後は自分で決めなければならない。

---

◇治療開始後。 1〜2週間。

薬の飲み始めると、幸か不幸か、心がざわめき出す。

たとえば、ボクが体験した変化はこんなの。

・オナニーした時に、ドバッと大量の精子が出る。

出てきた感情の抑制がきかなくなる。

この薬は大丈夫か?と不安になった。

他にもいろいろあったと思うが、忘れてしまった。

薬が体になじむまでに、3ヶ月はかかっただろうか。

徐々に収まってきて、安定してきたように思う。

---

◇治療をはじめて1年後くらい

一度、躁(そう)状態になったことがある。

記憶してるのは2回だけど、一回目はこんな感じ。

みんなに電話をかけまくり。

楽しくてしょうがない。

一人当たり1時間は当たり前。

十人以上はかけたと思う。

思うに、相手のことを考える余裕がまったくない。

友達は話を合わせて聞いてくれた。 嬉しかった。

もちろん、中には迷惑がる人もいた。

その後、昔の友達と会ってみた。

電話をした人もいた。 反応はさまざまだった。

電話をかけた当時の、事情を教えてくれた人もいた。

ありがたかった。

怖い思いをさせてしまったようだ。

それ以来、電話をかけるのが億劫になった。

家の電話はかかってきても、でなくなった。

---

◇薬を飲む目的

薬を飲む目的は、心の制御方法を学習することにある。

こればっかりは、自分で覚えていくしかない。

薬は、このきっかけを与えてくれる、ありがたい存在だ。

最初は、医者が言うことが、なかなか理解できなかった。

自分に合う人にめぐり合うまで、何度も医者を変える。

そんな人もいるらしい。 その行動力は、尊敬する。

でも、ボクはそこまでする気力が沸いてこなかった。

一人でモゾモゾと制御の仕方を模索していくしかなかった。

心が動き始めた頃は、もう治ったと勘違いしてしまう。

ここが、わかりにくい。

自分で自分の状態がわからない。

脳がぼけてる感じ。

そして、病気になったという事実を認めるまでも、大変。

病気になった、もうダメだという弱気な自分と、

病気じゃない、病気になんかなるもんかという強気な自分。

そいつらの葛藤を眺める、もうひとりの自分がいた。

---

◇医者に言われたことで、よくわからなかったこと。

・鬱とは、心のエネルギー不足な状態

 心のエネルギーって何よ?

・だから、やすみなさい、なにもしないでください

 どうやったら休めるの? 休むとは何?

言葉を翻訳してくれるアドバイザーが必要だと思った。

◇医者に言われたことで、ショックだったこと。

・医者、変えてみる?

・薬が要らないなら、もう来る必要ないね。

鬱にかかってた経験がないだろう医者が、

はたして患者のことをどこまで理解できるのだろうか?

そんな不安が頭をよぎった。

思い切って、通院をやめてみた。

---

うつ病になったきっかけ

仕事がきっかけだった。

前年に働きすぎた、という事実もあるが、

その後の環境の変化が、一番大きかったと思う。

職場と自宅の引越しが、予期せずに、同時期に来たのだ。

新しい職場に行った初日、強烈な不安を感じた。

それは、今でもハッキリと覚えている。

それから3ヶ月で、病院に行くまでになってしまった。

そして1年後、会社を辞めていた。

---

両親との関係にも原因があったと思う。

でも、一番の原因はボク自信にあった。 誰のせいでもない。

仕事ができなくなった自分を、情けなく思うようになった。

自分は何の役にもたたないクズ人間だった。

そこら辺に落ちているゴミと同じだった。

いやリサイクルされる分、ゴミの方がマシだった。

ニート”という言葉に対する世間の言葉が痛かった。

”パラサイト”も嫌で、両親とは距離を置いて暮らした。

賛同してくれる人はいなかった、

大夫心配をかけてしまったけれど、それでよかったと思う。

「他人に迷惑をかけることは恥」だと思ってた自分。

子供っぽい発想、1つの自惚れを自分の中に見つけた。

独りで生きられる人なんて、どこにも存在しない。

誰にも迷惑をかけないで生きられる人なんて、いない。

---

◇3〜5年後。

正確な時期は忘れてしまったが、薬を飲まなくなった。

医者にもいかなくなった。

それからは、自力でどうしたら治るか、試行錯誤を繰り返していった。

いつからだったろうか、ブログを書くようにもなっていた。

Niftyココログをはじめたのが、2008年10月。

うつ病と診断されて3年後、今から3年半前。

それより少なくとも1年前くらいから、はじめていたと思う。

以前のサイトは閉鎖されてしまったようで、記録は残ってない。

ノートに日記もつけるようになった。

日記というよりは、書きたいときに、書きなぐった落書き張だ。

今の素直な気持ちを出すことに、とことんこだわった。

体裁なんて気にせずに書きまくった。

この「出す」という作業は、とても大切だと思う。

気持ちも然り、うんちも然り、汗も然り。

出さなければ、よどみ、くさり、心の膿となる。

循環させることで、はじめて、心が動き出す。

そんな気がする。

---

鬱になって、時間ができて、旅をするようになった。

温泉が好きで、よく出かけたものだ。

印象に残っている温泉は、

鳥取の皆生。 山口の俵山。 大分の別府。 鹿児島の霧島。

西の方を中心に出かけた。

印象に残っている旅行先。

屋久島。 お遍路(四国)。 そして、東海道

自分が楽しいと感じることを探した結果だ。

でも、最近は、ひとりじゃなんか物足りないと感じている。

これが、心が正常になってきた証拠なのだろうか?

わからない。

---

最近の課題: 自分の中から自分を消すこと。

---

何か聞きたいことがある人は、ご連絡ください。

すぐに返事ができるかわからないけれど。

誰かの参考になれば、幸いです。

それでは。