ひげの違いについて。 髭・髯・鬚はどこのヒゲ? 漢字の使い分け。
あれ? ひげって漢字は、どんなだったかな?
参考までに、まとめてみました。
・髭・・・シ、くちひげ、mustache/moustache ← 「比」に似てるが「此」っち
どじょうのひげ(泥鰌髭)のようにまばらでうすい口ひげ
・鬚・・・シュ、あごひげ、beard ← 「須」
虎のひげ(虎鬚)のようにかたくて突っぱったひげ
よく使うぶしょうひげは「無精鬚」。
・髯・・・・ゼン・ほおひげ 、whiskers ← 「再」の下の部分
関羽(美髯公)のほおからあごにかけての長いりっぱなひげ
こんなん →関羽Wikipedia 関羽同盟
こっちは別物 → 関羽タオル
サンタクロースのひげも、この「髯」だろうか。
そういえば、ワンピースでも「ひげ」の異名を持つ海賊もいたっけな。
・白ひげ → コミック57巻表紙 白ひげとか 「髭」かな? 口ひげだし。
・黒ひげ → 黒ひげとか これは「鬚」かな? 無精ひげっぽいし。
・茶ひげ → 茶ひげとか こいつは「髯」だろうか? 意外と立派。
それぞれ違う漢字の「ひげ」を意識して描き分けていたりしてね。
オダっちは。
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ぐぐってみました。
髭・鬚・髯−どこの「ひげ」? 身体部位の話(17) 【コラム】 / サーチナ(searchina) 2008/03/12(水) 14:02
日本語と中国語(91)−上野惠司(日本中国語検定協会理事長)
ひげの話。ひとくちに「ひげ」と言っても、いろいろある。とらひげ・やぎひげ・どじょうひげ・なまずひげ・ちょびひげ・カイゼルひげ・チャップリンひげ・無精ひげ……、まだまだあるに違いない。
辞典によると、人の口・顎(あご)・頬(ほお)のあたりに生える毛とある。「人間、特に男子の」と限定した辞書もある。歌の文句だかに「うちの女房にゃひげがある」とあるが、これは例外だろう。
生える場所によって髭(シ・くちひげ)、鬚(シュ・あごひげ)、髯(ゼン・ほおひげ)などと書き分けられる。どじょうのひげのようにまばらでうすい口ひげは「泥鰌髭」、虎のひげのようにかたくて突っぱったひげは「虎鬚」、『三国志演義』でおなじみの関羽のほおからあごにかけての長いりっぱなひげには「髯」の字があてられる。「美髯公」は関羽の美称でもある。
ドイツ皇帝ウィルヘルム二世のトレードマークであった左右の両端が上へはねあがった口ひげは「カイゼル髭」、正式な名称は知らないが、お札にもなった漱石先生の口ひげも「髭」の字を用いる。あごの下に生やしたヤギのひげのようなのは「山羊鬚」と書く。
とらひげには「虎鬚」のほかに「虎髯」もある。どちらにしても剛毛であることに変わりはない。『荘子』という古典に「虎鬚を編む」という語が出てくる。生きている虎のひげを編むことで、危険なことをあえてすることのたとえ。
ぶしょうひげは通常「無精鬚」と「鬚」の字を用いているが、無精をして剃るのを怠っていたら伸びるのは「あごひげ」に限らない。まず伸びてくるのがあごひげということだろうか、それとも「ひげ」の代表字として「鬚」が選ばれたのであろうか。
日本語における髭・鬚・髯の書き分けは、言うまでもなく中国語における伝統的な使い分けに基づくものであるが、今日の中国語においては三種のひげをひっくるめて「胡子」と称するのが普通である。「胡」はもと「あごの垂れ肉」を意味する語であったから、「胡子」は本来「あごひげ」と指すという説もあるようだが、確かなことはわからない。
「ひげが生える」は「長胡子」、「ひげをたくわえる」は「留胡子」。少しかたい表現であるが、「蓄鬚」という語もある。文字どおり「鬚を蓄える」である。
おもしろいのは「ひげをそる」である。「刮胡子」、或いは「刮臉」という。「刮」は小刀やかみそりで剃ったり、へらなどでこそげること。目的語は「胡子」であっても「臉」であってもよい。要するに顔の表面の異物をかみそりでこそげとること。華北一帯の地表をこそげるように風が吹くさまを「刮」をいうのと通じるところがある。ついでに言えば、バリカンで頭髪を刈る動作にも「推」という動詞を用いる。バリカンを押し動かすという行為を指しているだけで、「何のために」という目的を言っていないところが、いかにも中国語らしい。(執筆者:上野惠司)
中国では、まとめて「胡子」と書くらしい。 便利だな。
胡麻胡子
髭・鬚・髯(ひげ) / 語源由来辞典
ひげ
【意味】 ひげとは、人間、特に男性の口の上・あご・ほおなどに生える毛。動物の口の周りに生える長い毛や毛状の突起。昆虫の触覚。ヒゲ。
ひげの語源には、「ホホゲ(頬毛)」が転じて「ヒゲ」になったとする説。
魚のヒレのように生えることから、「ヒレゲ(鰭毛)」が転じて「ヒゲ」になったとする説。
へりにある毛なので、「ヘゲ(辺毛)」「ヘリゲ(辺毛)」の意味とする説。
口の周りにあることから、「ヒラクケ(開毛)」の意味とする説。
「ひ」は朝鮮語で「口」を表す「ヒ(ip)」に由来し、「ヒ(口)」の毛で「ヒゲ」になったとするなど諸説あるが未詳。
「頬毛」や「鰭毛」の説は、頬のヒゲのみを表しているため考え難いが、元々、ヒゲが頬に生える毛のみを表していたと特定できれば、このいずれかの説で良いであろう。
あごや頬も含めたヒゲという点からすれば、口の周りに生える毛「ヒラクケ(開毛)」の説が良いが、「口」をあえて「開く」と表現するとは考えられない。
口の周りに生える毛という意味では、「くちびる」の語源とも通じることから、「ヘゲ(辺毛)」「ヘリゲ(辺毛)」の説が良い。
漢字表記は主に「髭」が用いられるが、漢字によって表す箇所が異なり、「髭」は「口ひげ」、「鬚」は「あごひげ」、「髯」は「ほおひげ」と書き分けられる。
一方で。
動物のひげは、どうだろう?
ネコ型ロボット、ドラえもんのひげは、「鬚」と書くのかな?
それとも・・・
ぐぐってみたら、こんなサイトが見つかりました。
語源・思いつくままに(外国語編) / 世界の言葉
ヒゲ
佐藤和美 (99/03/17 08:29)
以前、漢字ではヒゲを書き分けていると書きました。
鬚(あごひげ)
髭(くちひげ)
髯(ほおひげ)
ですね。
ところが、英語でもこれと同じように言い分けていたのでした。
「beard」(あごひげ)
「mustache/moustache」(くちひげ)
「whiskers」(ほおひげ)
全然違う中国語と英語でこのような共通点があるなんておもしろいですね。
ちなみに、「Blue beard」を漢字で書けば、「青鬚」になりますね。
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動物のヒゲ
ビーバ (99/03/17 20:54)
虎や猫、ネズミなど動物のヒゲは、英語では「whiskers(ほおひげ)」になるみたいですね。一方、漢字では「鬚(あごひげ)」と「髯(ほおひげ)」の両方を使うようです。虎のヒゲを指す言葉に「虎鬚(こしゅ)」「虎髯(こぜん)」があります。虎のヒゲが「あごひげ」とは思えませんが。 ---
日本語のひげ
ペルセ (99/03/22 01:09)
日本語では、中国語でいうところの鬚、髭、髯を区別するのに、「ひげ」の前に修飾語をつける。すなわち、中国語や英語のように、専用の単語がない。これは日本ではひげの区別があまり重要でなかったから、そういう言葉が必要とされなかったと考えて良いのでしょうか?
英語では「whiskers」(ほおひげ)になるらしい。
漢字では「鬚(あごひげ)」と「髯(ほおひげ)」の両方を使うようです。
「鬚」・・・あごですか? 変ですね。
猫やドラえもんのひげは、「髯」の方がスッキリするな。
でも、関羽(美髯公)と同じなんて、立派すぎるよぅ。
*1はスキだけれど、とっつきやすいし、なんかイメージが違う。
どじょうのような「鬚」が、妥当な線ではないだろうか。
うーむ。 漢字って難しい。
たまに、漢字の成り立ちからわかる、漢字字典が欲しくなる。
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これらの細かい漢字、パソコンで書くと小さくてわかりにくい。
そんなときに役に立つのが、このサイト。
正しい漢字の書き順(筆順) http://kakijun.main.jp
大きくて、見やすい。
書き方もわかるアニメーション仕様。
もちろん、検索もできる。
検索のところにコピペすると
「ば」や「ぱ」など、わかりにくい文字もよく見える。
いろんなひげ
オシャレの市民権を得た「髭」という自己表現ツール / デザインブログ バードヤード2009/12/27
髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のことで。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、あごひげ(鬚)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分けます。また、英語においても同様に使い分けられているようです。
大人の男性ならではのオシャレな「ひげ」を楽しむ。
ステキですわ。
*1:≡゜♀゜≡