ウサギとカメ。

イソップ物語の『ウサギとカメ』の教訓は何か?

Yahoo!知恵袋の質問箱にあった例だと。

 ・どんなに能力が劣っていても壁は努力でこえることができる。
  だから努力は大事だ。(カメ) ※一生懸命

 ・どんなに能力が優れていても油断すると失敗する。
  だから油断は大敵だ。(ウサギ) ※油断大敵

 ・ウサギはカメに負けたのではなく、自分に負けたのだ。

 ・カメはウサギが寝込んでいる事を知っていて、追い越し勝った卑怯な奴。

いろんな解釈があって楽しいですね。

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で、一番に言いたかった事は、一生懸命、または、油断大敵なのか?

思うに、油断するかどうかは、
「目指すゴールが明確になってるかどうかで決まる」んだと解釈しました。
カメのようにゴールがはっきり見えていれば、どんなに遅くても必ずたどり着く。
というか、ひたすら一生懸命になれる。
ゴールを想像するだけでワクワクして、楽しいから。
逆にウサギのようにゴール以外のところに意識があれば、
どんなに速くても、永遠にたどり着くことはできない。
不安になるのがおちなんじゃないかって。

もし、ウサギが得た教訓が「寝なければ大丈夫!」だけなら、
また負ける可能性は十分に有り得ると思います。
世間には誘惑がいっぱいありますからね〜(笑)

この2つの教訓を決めているのは、共に、
「ゴール(目標)を正確にイメージし続ける力」の差なんだと思います。
ってことで、
速さのような見た目の能力よりも、もっと大切なモノがあるのでしょう。

 一兎を追うものは二兎を得ず。
 by 孔子

 まったくするべきことでないことを能率的にする。
 これほど無駄なことはない。

 by ピーター・ドラッカー(経済学)



目的が明確になれば、何を優先すべきか自ずと決まる。

目的を見失い目前のことに振り回されていると、
一生はアッと言う間に過ぎてしまう。
どうでもいいことを追いかけ、一生を終わる人が多いようだ。
これは、今のボクが体験していることです。

美術館を楽しめない例が、正にそれである。
上手な人の絵画鑑賞法。

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ここのページの考察(四方山談義家の一日)も面白かったです。

この「かけっこの競技」、
ウサギに「歩みがのろい」とからかわれたカメさんがカッと頭に血が上り、
それなら「向こうのお山の麓までかけくらべ」と応じるところから始まります。
これはカメさんが「アホ」です。からかわれることにより、ついムキになり、
自分の不得意な「かけっこで」応じてしまったのですから。

相手を自分の得意分野にさそいだしやることが重要です、
には同意しかねますが、
人生も、自分の得意分野で勝負することが重要です、には共感。
この世の中に敵がいるとしたら自分だけだと思います。

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Wikipediaにはいろいろ書いてあります。
「カメが勝利する最大の距離は280メートル33センチ」

そこでトリビアの泉タモリさんのコメントが面白かった。
「そうか、カメはウサギが夜行性だって知ってたんだね」(笑)

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このブログ(時間管理術研究所)にはこんな意見がありました。

・相手のミスで勝利が得られることもあるが、それで調子に乗っちゃいけない(カメ)。
・睡眠不足は、時として致命的なミスの原因になる(ウサギ)。
・人と比べて 「自分は仕事が速い」 なんて言ってるやつは大したことがない(ウサギ)。

いろいろと考えると面白いですね♪

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このブログ(ついてる、ついてる! いいこといっぱい)には、
ボクと同じようにゴールについての解釈がありました。
しかも、視点が面白い!

ウサギとカメは最初から目的が違っていたのではないでしょうか?
ウサギの目的は「カメに負けないこと」で、
カメの目的は「できる限り早くゴールに辿りつくこと」だったのではないか。
ウサギの意識は「カメ」、カメの意識は「ゴール」なのです。

自分の目的は、設定したゴールの方を向いているか?
企業経営者から見た視点なのかな?

なるほどな〜

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ここのメルマガ(起業・創業 お助けメールマガジン)には、
Yahoo!知恵袋にあった「カメさんが卑怯」の疑問系がありました。

「どうしてかめはうさぎ起こして、正々堂々と勝負しなかったのだろうね。

 居眠りするうさぎの横を、コソコソと通り過ぎたのだろうか。

 そのようにしてうさぎに勝ったかめは、どんな気持ちだったのだろうか。」

ここのフォローにある話は、上のブログの内容と同じなので省略します。

ブログ作者の、
子どもに話しても「ふ〜ん」で終わっちゃうだろうって意見、同感です(笑)
何かにつまづいて、悩んだり苦労しないと、わからないことだろし。

でも、ま、話してみるだけ、話してみるといいと思うんですけど。
将来困ったときに、思い出してくれる人がいるかも知れない。

てか、子どもの意見って面白いですね〜♪

「世界でひとつだけの花」の話もありました。
No.1よりONLY ONEだと。

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このブログ(月参り『副住職日記』)では、海外版を紹介していました。

イランのカメは、自分の弟にこっそりゴールにいるように頼む。
だから、どんなに速くウサギが走っても、カメの勝ち(笑)

カメルーンのカメは、親類や一族の人たちに頼んで、道陰に隠れていてもらう。
…必死に走った結果、ウサギは先にゴールするが力尽きて死去。カメの勝ち。
教訓:仲間(チームワーク)は大切だ。
Wikipediaにあった、「リーマスじいやの話」の話ですね、これ。

最後に、インドのカメの話。ほぼ日本と一緒だけど、カメは悪者。
Yahoo!知恵袋の最後にあった教訓は、インド版なんですね(笑)

たしかに、文化って面白い♪

この話は「アジアの心」と言う本に載っていた内容っぽいです。
(画家の平山郁夫氏とひろさちや氏との対談形式の本、ケレルの日記より)。

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ここの論文(ウサギとカメの教育文化史)には、
いろいろと書いてあって面白かったです。
全部に目を通すのは途中で諦めました。

通俗伊蘇普物語 1872〜75(明治5〜8)年 ※一生懸命
小学読本 初等科 1883(明治16)年 ※一生懸命
新読本 1887(明治20)年 ※一生懸命

小学読本 1887(明治20)年 ※油断大敵
幼学読本 1887(明治20)年 ※油断大敵
小学読本 1888(明治21)年 ※油断大敵
学習院 初学読本 1894(明治27)年 ※油断大敵

最初に出てきた頃には「一生懸命」という教訓で使われていたけれど、
次第に「油断大敵」になっていったような感じだそうな。

ビートたけしのウソップ物語 瑞雲社・2001年
ここには、二つの「パロディ」が載せられている。
一つは、決勝点までいったカメが寝ているウサギを起こすと、
 ウサギが「バカ!おれは三往復目だ」と答えるというもの。
 「人間いくら努力しても、才能のあるやつにはかなわない」
二つめは、進んでいくカメの背中にウサギが寝ていて、
 決勝点の直前で飛び降りるというもの。…これ12支のパクリじゃないか(笑)
 「能力のあるやつは楽をして栄光をつかむ」

もともと、この話は、普通に競争すれば勝つに決まっているウサギが、
これも普通に競争すれば負けるに決まっているカメに
競争を持ちかけるところから、話が始まる。
そのままウサギが勝負に勝ってしまえば、それこそ話にならない。
負けるに決まっているカメが勝ったから、
つまり、普通でない出来事が起こったからこそ、
伝承するに相応しいエピソードとして残ったのである。

なんだよね。

明治以来の、近代的な「競争」、
とりわけ学校の中での「競争」そのものが、
ここであらためて問われているのかもしれない。

って、感想が面白かったです。

「世界でひとつだけの花」と似てますね。

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このブログ(ファイン・サンキュー)にはこんな解釈がありました。

1回は勝てても2度目はないということ、
自分たちがカメだとしたら陸では戦わず水の中で勝負することなど、
それぞれ持った特性を最大限に活かすことが大事だと言っていました。

中小企業向けの経営塾ならではの解釈で面白いです。
ちなみに
寓話に出てくるカメは「陸亀」のようです(Porch VolleyApplecheese Diary)。

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ここのブログ(web『たまてばこ』)で紹介してた第3の解釈。

 「ウサギとカメが競争してはいけないんだ!」

笑えました。
世界で一つだけの花って感じなんでしょうか。
今風ですよね。

なんのために競争するかが、
盲目的に見えなくなってしまいがちな世の中なんかね。

勝負するだけで終わるなら確かにしない方がいいのでしょうね。
勝っても負けても教訓を得ようとしない勝負はムダですし。

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ここのブログ(シコーノカテー)ではNHKの番組をとりあげていました。

 「ただやみくもに努力するのは思考停止してるだけ」。

頑張ってるようだが、実は思考停止しているだけ、なのだそうである。

これは、ほんと面白い話です。
当たり前のことを当たり前として捉えた時点で、
人はそれ以上の可能性を考えなくなるんですよね。
知識・経験とはゲに恐ろしいものです。

こんな話もありました。

 「ひとは誰でもウサギであり、カメである。」

なるほどな〜と思いました。
モンキーターンという漫画(←結構、面白いです♪)の話も
取り上げられていた。早い足と忍耐力。

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ボクが考えるもう一つの解釈は、人間の二面性。
シコーノカテーさんにあった話と近いかもです。

目指すゴールがはっきりしてるときはカメのように進むだけですし、
逆にはっきりしないときはウサギのようにゴール以外に意識が行きがち。
そうやって負けることによってゴールを見つけてく時期もあるんのかなって。

どっちの生き方優れてるとかじゃなくて、どっちの生き方も大切。
どちらが大切なのかは、今の自分の状態によって変わってくる。

また、ウサギの速さだけが能力と見られがちですが、
ゴールを定めたらぶれないカメも優れた能力の持ち主だと思います。