視点が面白い:「ONE PIECE」で人権教育。
教育で漫画を取り上げた視点が面白い。
「如何に興味を持たせるか?」ってのが、教師の役割やろし。
マンガは大ヒットしているが、生徒の心に…は、どうなん?
人気キャラのチョッパー効果だろうか?
のけ者にされてチョッパーが悩んでたのは確かだけど、
ただ「人権問題?」と言われれば、そこには疑問が残る。
村八分にも似てるが、それ以前の問題。
(あ、トナカイ間では村八分にされてたか)
奴隷問題か?と言われれば、上下関係すら成り立ってない。
化け物的な扱いで、同じ人間とすら見なされていなかった。
チョッパー自身が恐怖を与えていたという見方もできる。
その視点で言えば、根本的にはつながってくるのかもしれない。
チョッパー編で注目したのは、ルフィーのとった態度。
みんなは恐怖を感じるのに、逆に、それを面白いという。
普通じゃない、他とは違うから面白い。 違いが面白い。
その視点は、どこから生まれて来るのだろう?
ルフィーが天然だからといえば、それまでなんだけどさ。
「ONE PIECE」で人権教育 生徒の心に大ヒット / 朝日新聞 2012年3月5日13時0分
伝説の海賊王が残した大秘宝をめぐる大人気の少年冒険マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」(尾田栄一郎作)を、学校の人権教育の授業で使う取り組みが始まっている。外見のせいで仲間外れにされ、孤独だった登場人物が、友達との出会いを通じて成長していく。そんな姿が生徒の心にまっすぐ届いているようだ。
■チョッパーは現代社会の誰のことか
「海へ出ろよ! お前の悩みなどいかに小せェことかよくわかる」
「本当に?」
1月末、柴島(くにじま)高校(大阪市東淀川区)であった2、3年合同の「世界の人権」の授業。やぶ医者のヒルルクと、ワンピースの主人公の一味でトナカイのチョッパーのやりとりが教室のスクリーンに映し出された。
生まれつき鼻が青いチョッパーはトナカイの仲間たちからいじめを受けていた。「ヒトヒトの実」という不思議な実を食べ「トナカイ人間」になるが、今度は人間から化け物扱いされ、銃撃される。その時、ヒルルクに助けられ、はぐれもの同士、心を通わすようになる。
「チョッパーはずっと孤独だったけど、ヒルルクという友達ができて、少しずつ自分を受け入れられるようになったんだ」。前川昭敏教諭(46)の話を生徒らは真剣な表情で聞いた。
前川教諭がワンピースを授業で初めて使ったのは2010年12月。ワンピースのアニメを長男と見ていた前川教諭は「生徒に差別や仲間の大切さを考えさせる教材になる」と感じた。それまで南アフリカのアパルトヘイトやアメリカの公民権運動を学んできた生徒らは「ワンピースにこんな見方が」と驚き、それぞれに思いをめぐらせた。
3年の重満(しげみつ)麻利さん(18)は「一度でも人からのけ者にされると、誰も信用できなくなり、恨むことしかできなくなる。でも、ヒルルクのような寄り添ってくれる人がいると、立ち直れるきっかけをつかめる」。3年の小坂幸知子さん(17)は「迫害を受けた人はその気持ちをずっと覚えている。その傷は他人には見えないし、分からないから難しい」。
チョッパーは現代社会の誰のことか――。前川教諭が生徒らに感想文を書かせると、「人種差別を受けた黒人」「路上生活を余儀なくされたホームレス」「障害者」「いじめを受けた人」などの記述がある中、「チョッパーは自分」と書いた男子生徒がいた。
写真、授業を受けているの女生徒ばかりじゃないか。
ETV特集 自分を語り、人とつながる〜春・柴島高校1年 / NHK教育 2009年6月21日
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ワンピースが取り上げているのは人権問題だけじゃない。
「何か変だぞ?」と思うさまざまな問題を取り上げてくれる。
だから、興味を惹かれるのかもしれない。
フランキーでは、マフィアとか、任侠とか、社会の陰を描いてた。
変態と言われて喜ぶ兄貴の姿は、キモいけど、素晴らしい。
政府に追われるロビン、法律・ルールとは何かを考えさせられた。
ブルックなんか、チョッパー以上の化け物扱いでさ。
何年孤独だったんよ? 壁に斜め45度!
普通じゃないから仲間にしたいというルフィーは、素で凄い。
ルフィーの子供時代の回想では、格差社会とゴミ問題だった。
格差が大きくなるに比例して、ゴミも増えてくるのか?
片目を失ったゾロの姿には「障害とは何ぞや?」と思った。
現実では、周りからは哀れみの目で労わられちゃうだろうよ。
でも、それがない。 ツッコミすらない。 痛さがない。
片目が見えなくなったことが、逆に長所になっている。
スイスの暗闇レストランと同じ”何か”を感じた。
魚人島では種族間の争い、恨みの連鎖とか考えさせられた。
デンさんの指摘「見た目を気にする人間」が興味深かった。
ルフィの仲間に、問題を抱えていない奴はいない。
でも、みんな作品の中では活き活きと描かれている。
それは、なぜなんだろう?
ルフィーが人を惹きつけるのは、なぜなんだろう?
えげつない犯罪者は、みんなギャグとして扱われている。
相手にされてすらいない。 弱いものとして描かれている。
たぶん、そこには何の信念もないからだろう。
そもそも、敵とは何をさす言葉なのだろうか?
麦わら海賊団が、海賊行為してるの見たことがない。
本当に海賊なの?とツッコミたくなる。
ただ世界のルールを決めている政府に逆らっているだけ。
世の中に存在するルールは、オカシイとろこがいっぱいある。
古くなり、矛盾点を抱えたままのも、たくさんある。
時代が変化しそうな時は、特に…。
でも、大概は、見てみぬふりしてしまう。
ルールを守ってる方が何も考えなくていいし、面倒もない。
作者自身は現実と比べたら「うすっぺらい」と言ってた、けど。
世の中に潜む矛盾点を考えるきっかけを、たくさん頂いている。
ありがとう! オダッち。
最近、パターン化しすぎてて、「こち亀」に似てきてない?
(〜編とか区切りをつけるの、アニメ化との絡みだろうか)
ナミやサンジを仲間にした頃の、あのごちゃごちゃ感が欲しい。