第144回芥川賞・直木賞の作品一覧(2011年1月17日発表)

昨日、芥川賞直木賞が発表されました。

メモ書き。

今回。第144回。平成22年度(2010年度)下半期。←
前回。第143回。平成22年度(2010年度)上半期。
芥川賞直木賞昭和10年(1935年)に制定。

両賞が共に2作同時受賞するのは第130回以来7年ぶり。

--- 芥川賞

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左(←)「朝吹真理子」(26)、 右(→)「西村賢太」(43)

朝吹真理子『きことわ』(新潮9月号)
朝吹真理子さんは初めてのノミネートで受賞。
2010年に『流跡』でBunkamuraドゥ マゴ文学賞を最年少で受賞。
詩人・朝吹亮二氏の娘で、現在は慶大前期博士課程に在籍。
親への反発で?スゴイな。
「常に、そっと読者であるあなたという人に届ける手紙のような気持ちで作品を書いている」「うそを完遂するということを一番の目的にした」

西村賢太苦役列車』(新潮12月号)
西村賢太さんは3度目のノミネートで受賞。
私小説にずっと救われてきた」と独特な香り。
2003年7月より同人雑誌「煉瓦」に参加。
友人がおらず、受賞についても誰にも知らせていない。
なんとなく共感しちゃいます。

芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品。
芥川賞の両作品の書籍はこれから発売予定。

(芥川賞) きことわ 朝吹 真理子 (単行本 - 2011/1/31) 1,260円
(芥川賞) 苦役列車 西村 賢太 (単行本 - 2011/1/31) 1,260円

朝吹真理子Amazon作品一覧
西村賢太Amazon作品一覧

--- 直木賞

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左(←)「木内昇」(43)、 右(→)「道尾秀介」(35)

木内昇漂砂のうたう』(集英社
木内昇さんは初めてのノミネートで受賞。
宮部みゆき氏曰く「最初の投票でバツがなかった唯一の作品」。
中央大文学部哲学科心理学専攻卒業。
出版社勤務、フリー編集者を経て、
2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。

道尾秀介『月と蟹』(文藝春秋
道尾秀介さんは直木賞には5回連続で候補にあがっていた。
今回の受賞は前回落選時の宣言通り。
決戦投票での受賞。神がかりなものを感じました。
ちなみに今年が年男。見事に跳ねてくれました。
2004年に『背の眼』でホラーサスペンス大賞特別賞で小説家に。

直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短編および長編の大衆文芸作品。

(直木賞) 漂砂のうたう 木内 昇 (単行本 - 2010/9/24) 1,785円
(直木賞) 月と蟹 道尾 秀介 (単行本 - 2010/9/14) 1,470円

木内昇Amazon作品一覧
尾道秀介Amazon作品一覧

--- ニュース記事

第144回芥川賞・直木賞受賞の4氏が喜びの会見 Yahoo!ニュース オリコン 1月18日(火)6時0分配信

17日に発表された第144回芥川賞直木賞(平成22年下半期)を受賞した4氏が同日、都内で行われた記者会見に出席し受賞の喜びを語った。今回は芥川賞朝吹真理子さん『きことわ』と西村賢太さん『苦役列車』、直木賞木内昇さん『漂砂のうたう』と道尾秀介さん『月と蟹』が選ばれており、7年ぶりの“芥川・直木賞W受賞”となった。
【写真一覧】第144回芥川賞直木賞 候補作名と作者の顔ぶれ
芥川賞初候補にして初受賞となった朝吹さんは「(自分の作品を)芥川賞選考委員のみなさんに手にしていただいて、嬉しい気持ちと畏怖の気持ちがない交ぜになっています」と神妙に語り、父で詩人の朝吹亮二氏ら家族への報告は「電話で。『良かったね』とそれだけでした」。朝吹さんの受賞について、「もともと私小説にしか興味がない」と語る西村さんは「僕はいい家庭環境に育っていなかったけれど、藤澤清造さんに救われてきた」という思いから藤澤清造氏の全集を編集しており、「汚い話ですけど今回の賞金プラスアルファで(全集を)出せるなと(笑)」と笑わせた。
木内さんも朝吹さんと同じく初候補で初受賞。「初めてのノミネートで受賞するとは思っていなかったので」とカジュアルな装いで登場した木内さんだが、「(直木賞受賞を機に)これからどういう流れになるのかというのが分からないんですけど、姿勢は変えたくないなとは思います。一つひとつを大切に書いていきたいですね」と力強くコメント。5回連続で候補となり待望の受賞となった道尾さんは「5回といっても2年半なので、作家をやっていくうちの2年半は一瞬ですからね。でも、担当編集者がやきもきしていたので、取れてよかったなと思いました」と語った。
今回の芥川賞選考会について、委員の島田雅彦氏は「朝吹さんは初回7ポイントを獲得して受賞が決定し、その後残った候補者の中から5.5ポイントで西村さんが選ばれ、W受賞にするかどうかについても簡単に決まった」と選考過程を説明。朝吹さんを「時間、記憶、過去を自在に操る、時間の処理について卓越した技術を持っている」、西村さんを「ゆるぎない芸風を持っている。私小説といいながらも三人称で書かれているが、独特の技法」と評価した。
また、直木賞選考委員の宮部みゆき氏は木内さんを「最初の投票でバツがなかった唯一の作品。二重三重に難しいことを設定し、相当たくさんの資料を読み、ご自身で消化して、資料に振り回されなかったことが素晴らしい」とコメント。道尾さんについては「非常に大変な挑戦をしていて、10歳の少年の目線になるという難しいところから逃げなかった。しかしもっと短くできたのではないか、これは短編で書くべきではないかという点から議論になった」と、選考委員の間で議論が対立し、決戦投票で票を獲得しての受賞だったことを明かしている。

「第144回芥川賞・直木賞」は共に2作品 7年ぶり4名選出 オリコンLIFE 2011年01月17日 19時50分

日本文学振興会は17日、「第144回芥川賞直木賞(平成22年度下半期)」の選考会を都内で開き、芥川賞朝吹真理子さん(26)の『きことわ』と西村賢太さん(43)の『苦役列車』、直木賞木内昇さん(43)の『漂砂のうたう』と道尾秀介さんの『月と蟹』を選出した。両賞が共に2作同時受賞するのは、芥川賞金原ひとみ氏『蛇にピアス』、綿矢りさ氏『蹴りたい背中』、直木賞江國香織氏『号泣する準備はできていた』、京極夏彦氏『後巷説百物語』が受賞し話題を呼んだ第130回(2004年1月15日発表)以来7年ぶり。
朝吹さんは2010年に『流跡』で第20回Bunkamuraドゥ マゴ文学賞を最年少となる25歳で受賞。詩人・朝吹亮二氏の娘で、現在は慶大前期博士課程に在籍。西村さんは2003年7月より同人雑誌「煉瓦」に参加して小説を書き始め、芥川賞は第134回、138回に続き3度目のノミネートでの受賞となった。
木内さんは中央大文学部哲学科心理学専攻卒業。出版社勤務、フリー編集者を経て2004年『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー、2009年に第2回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞を受賞した。道尾さんは2004年にデビュー作の『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。直木賞は『カラスの親指』(第140回)、『鬼の跫音』(第141回)、『球体の蛇』(第142回)、『光媒の花』(第143回)で5回連続候補にあがっていた。
芥川賞の選考委員は池澤夏樹氏、石原慎太郎氏、小川洋子氏、川上弘美氏、黒井千次氏、高樹のぶ子氏、宮本輝氏、村上龍氏、山田詠美氏のほか、今回から新たに島田雅彦氏が参加し全10名に。直木賞選考委員は浅田次郎氏、阿刀田高氏、北方謙三氏、林真理子氏、宮城谷昌光氏、宮部みゆき氏、渡辺淳一氏のほか、今回から伊集院静氏、桐野夏生氏が加わり、全9名で務めた。
芥川賞直木賞昭和10年(1935年)に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短編および長編の大衆文芸作品を対象に優秀作を選定する。「第143回芥川賞直木賞(平成22年度上半期)」では、芥川賞赤染晶子さんの『乙女の密告』、直木賞中島京子さんの『小さいおうち』が受賞している。
今回ノミネートされていた作品は以下のとおり。
●第144回芥川龍之介賞候補
朝吹真理子『きことわ』(新潮9月号)
小谷野敦『母子寮前』(文学界9月号)
田中慎弥第三紀層の魚』(すばる12月号)
西村賢太苦役列車』(新潮12月号)
穂田川洋山『あぶらびれ』(文学界11月号)
●第144回直木三十五賞候補
犬飼六岐『蛻(もぬけ)』(講談社
荻原浩『砂の王国』(講談社
木内昇漂砂のうたう』(集英社
貴志祐介悪の教典』(文藝春秋
道尾秀介『月と蟹』(文藝春秋

[芥川賞・直木賞]受賞者4人が会見 芥川賞はサラブレッドとフリーター 直木賞2人は自然体 マイコミジャーナル毎日新聞デジタル) 2011/01/18

第144回芥川龍之介賞(以下芥川賞)・直木三十五賞(以下直木賞)の発表が17日、東京都内であり、それぞれの受賞者4人が個性あふれる会見を行った。
芥川賞朝吹真理子さん(26)の「きことわ」と西村賢太さん(43)の「苦役列車」が受賞。直木賞木内昇(きうち・のぼり)さん(43)の「漂砂のうたう」と道尾秀介さん(35)の「月と蟹」の2作が受賞した。芥川賞直木賞ともにダブル受賞となったのは、芥川賞金原ひとみさんの「蛇にピアス」と綿矢りささんの「蹴りたい背中」、直木賞江國香織さんの「号泣する準備はできていた」と京極夏彦さんの「後巷説百物語」が受賞した03年後期の第130回以来7年ぶり。
現在、慶応大大学院に在籍中の朝吹さんは、初候補作での受賞。父は詩人で仏文学者の朝吹亮二さん、大叔母はフランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」などの翻訳で知られる朝吹登水子さん、シャンソン歌手の石井好子さんも大叔母にあたるという“サラブレッド”だ。スレンダーな体に黒のカットソーとスカートというシックな装いで、つめには赤いマニキュアを施して登場し、時折気品のある笑顔を見せながら質問に答えた。「常に、そっと読者であるあなたという人に届ける手紙のような気持ちで作品を書いている」といい、受賞作を「うそを完遂するということを一番の目的にした」と説明。小説の面白さを「うそがうそとして機能して、うそから生まれたうその世界を読み手が受け取ったときにうそが反転して真(まこと)として返ってくるところ」とコメントした。受賞によって作品が多くの人の目に触れることについて、「うれしく思います。(作品が)実際に読者であるあなたに届いて、作品を介してのやりとりを、もっと緊密にできると思うとワクワクします」と喜んだ。大江健三郎さん、町田康さんの作品を愛読しているという。
一方、大きな体にブルーのネルシャツと革ジャン姿で登場した西村さんは、公立の中学を卒業後、これまでにフリーターなどで生計を立て、03年7月から同人雑誌「煉瓦」に参加して小説を書き始めたという経歴の持ち主。今回が3度目の候補作だった。「私小説にずっと救われてきた」といい、自身も私小説を執筆。創作中の様子を「ダメなヤツだなと思いながら書いていて、これは俺のことなんだと思ってがくっと落ち込んで、お酒に逃げて……。その繰り返しです」と振り返った。今後、仕事の依頼が増えるのでは?と聞かれると、「それはないと思います。あちこちから干されていますから。(受賞作が掲載された)『新潮』にも意固地になって(担当の編集者に)ゲラを持たせないというふざけたことをした」とジョーク混じりに話し、友人がおらず、父親との確執もあって受賞についても誰にも知らせていないと明かすなど、独特のユーモアを交えて赤裸々に語った。現在は「藤澤清造全集」を個人編集し刊行準備中で「汚い話なんですけど、今回の賞金プラスアルファで(本が)出せる」と喜んでいた。
初の候補作で直木賞を受賞した木内さんは、出版社勤務、フリー編集者を経て、04年「新選組 幕末の青嵐」でデビューした。選考結果を「銀座で編集者と待っていた」といい、黒のパンツに白いスニーカーという自身の服装について「今日はまさか(賞を)とるとは思わなかったので編集者の方と二次会を予定していて、新年会気分で銀座にいたので……。(服装には)絶対触れないでください。場違いで失礼しました。失敗したと思っています」と恥ずかしそうにコメント。受賞については「まだ実感がない。とれたこと自体びっくりしている」と驚きを隠さず、「選考委員の方が(これから)なんとかやっていけるだろうと背中を押してくださったのでは。これから今まで思いもしなかったことを経験すると思う。そこからはい上がったときに自分なりに(自分を)作家といえる気がします」と控えめに語っていた。
04年に「背の眼」で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞して小説家となった道尾さんは、第140回から2年半にわたって5回連続で直木賞候補となり、「月と蟹」で初受賞した。受賞までの道のりを「5回といっても2年半なので、小説家をやっていく上で一瞬ですからね」とあっさりと語り、受賞について「候補になったときにうれしさは味わい尽くしている。これだけたくさん小説が出ている中で(候補に)選ばれることがすごいことだと思う。落選より受賞の方がもちろんいいですけど」と語るなど淡々とした様子を見せた。ファッションもジーンズにウオレットチェーンとハードなブーツを合わせたカジュアルスタイルで、自分へのご褒美や、受賞作の舞台になった鎌倉への再訪も「ないです」と答えるなど、あくまでも自然体だったが、今後の創作については「今までずっとやってきた通り、こんな本があったらいいなというものを素直に自分で書く。そのスタンスは崩さない。読者を意識しないことを続けていきたい」と静かな闘志を見せていた。(毎日新聞デジタル)

--- ブログなど

川賞・直木賞⇒共にダブル受賞朝吹・西村・木内・道尾 / 明日への道しるべ@ジネット別館 2011.01.18 19:15:04

第144回芥川賞と直木賞? / いい加減社長の日記 2011-01-18 07:48:51

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おめでとうございます。